マイタウンの問題について考える
マイタウンの情報が公開されましたが、これがかなり反響を呼んでいるようです。
いきなり提案広場には大量の意見が寄せられていますね。
論点をいくつかに整理して、私の考えを書いてみようと思います。
メインコンテンツではない
特に多い意見は、値段が高すぎて遊べないというものです。
これは、開発運営のこれまでの情報の伝え方に問題があったと思います。
これまでもそうでしたし、先日の放送でもそうなんですが、いかにも目玉のメインコンテンツであるかのように紹介しています。
実態はごく一部の人にしか遊べないものにならざるを得ないのは最初から決まっていたはずなのに。
開発にかけている労力としてはメインコンテンツ級なのでしょうが、プレイヤーにとってはそんなことは無関係です。メインコンテンツであるかのような宣伝は騙しているようなものでしょう。
提案広場の多数の苦情は無理もないです。
ちなみに、高額Gで販売する理由はG回収のためであるということが言われたりもしますが、私は開発にそんな考えはないと思っています。
ほんとに開発がそんなことを気に病んでいるのなら、ドワチャッカ福引をむやみに強化したりトリニティの報酬に店売り換金系を多数入れたりするはずがありません。
ヒルズの価値を殺す
さらに、レンダーヒルズの価値という問題があります。
これも提案広場でけっこう書かれていますね。
レンダーヒルズの価値の大部分は最高級であるという点にあります。いわゆるステータスです。
ヒルズより高級な住宅があったらその価値が消滅してしまいます。
開発自身も「高級」とか「憧れ」とかをウリして実装し、多くのプレイヤーが凄い労力を費やして手に入れてきたものです。
引っ越しできないとかRMT調査をするなども、その地位を保証するという特別感を担保するものです。
なのに、唐突にそれを反故にするのは配慮に欠けるでしょう。
開発にとっては1億Gなどただのデータに過ぎないでしょうが、プレイヤーにとってはそのために長い時間を費やしたもののはずです。
誰のためのものか
さらに問題だと思うのは、誰のために作ったコンテンツなのかということです。
レンダーヒルズはハウジング関係の機能は普通の住宅村と同じです。
満足感を与えるために、価格ほどではないわずかの利便性の優位があるだけでした。
価値の中心は「最高級」にあるのだから超高額でわずかの利便性でいいのです。
しかし、マイタウンは他の住宅村とはできるハウジングの規模からしてぜんぜん違います。
当然、これまでハウジングに力を入れてきた人にこそ向いたものです。
高級なものを所有している、という満足感が目的の存在ではないはずです。
用意できる数の関係でだれもが所有できるものではないというのは分かりますが、だからといって高額ゴールドで選別するというのはコンテンツの趣旨に合わないでしょう。
少し前にあったハウジングコンテストで、金賞を受賞した人にはマイタウンの権利が贈られました。
しかし、わずかに金賞の1名だけです。
確かに金賞の作品は素晴らしいと思いますが、以前の記事のときに見て回った40選の作品は、どれも非常に感心するもので、作り手の情熱を感じるものでした。
とても簡単にできるものではありません。
私は見ていませんが、40選に選ばれなかった多くの作品の作り手も同様でしょう。
こういう人達にこそ優先してマイタウンの権利があるべきではないのでしょうか。
ステップアップ構造の大切さ
マイタウンで高度なハウジングをするために必要なのは、ハウジングを頑張ることではない。
…こういうのは、いまのドラクエ10のRPGとしての基本構造の問題にも通じるところがあります。
つまり、さらなる強敵を倒すための成長に必要なことは、強敵を倒すことではない。ということです。
倒せない人がいるかも知れない敵というのは、基本的にすべて「やらなくていい」ものにされてしまいます。それどころか、お金を消費するものが多いので「やらないほうがいい」とさえ言えます。
ある強敵をクリアすることで強くなり、更なる強敵に挑むことが出来る、みたいなステップアップの構造が少ないんですね。
こういう構造こそがゲームというものの醍醐味だと思うのですが、どうも軽視されているように感じます。