目的の大切さ・しもふりミート問題を考える
しもふりミートの値段が急激に上がったことがけっこう話題になっているようですね。
開発運営のコメント
この件については、提案広場に安西Dのコメントがありました。
しもふりミートが高騰している。安くして欲しい。
レアドロップ素材としての価値が必要。
この件に関しては、珍しく開発の言い分の方に共感できます。 職人依頼が赤字になる件はまた別問題なので、これは当然対応されるべきですが、値段が高いこと自体は問題とは思えません。
価値は目的になる
もし価格の安定だけが正義なら、そもそも解決策は極めて簡単なのです。
NPCに望む価格で販売や買い取りさせればそれで解決する話です。
一部の高級素材をそうしないのは、「目的」を作りプレイヤーの遊びを生み出すためです。
プレイヤー間取引では、プレイヤーの労力に見合うまで値段は上昇します。労力に見合う価値があればそれを取りに行く動機が生まれ、この場合であればレアドロップ狩りなどの遊びが生まれます。
さらに、嫌われがちな転売金策などですら、多様な遊びのうちの一つといえるものです。
現在のしもふりミートの値段は、レアドロップ狩りの選択肢に入るかどうかまだ怪しい程度でしかありません。他の目的のついでに手に入るようにするなどで値段が下がれば遊ぶ目的を増やす効果はほとんどなくなるでしょう。
目的が遊びを作る
目的をつくるということはすごく大事なことです。何かできることがあっても、目的がなければそれはないも同然です。
例えば、バトルルネッサンス。アップデート毎に更新されていますが、やっている人がわずかしかいないのは開発自身が認めています。
理由は明白です。やる目的がないからです。
一方、ドラクエ10黎明期からある強ボス。今でも毎日多くの人がやっています。中身がバトルルネッサンスより面白いから、ではありません。
報酬の価値がしっかりしているので今でもやる目的があるから遊ばれ続けています。
面白さと目的の一致が重要
このように目的はプレイヤーがなにをして遊ぶかを決めているものですが、大事なことは遊びの面白さを決めているわけではないということです。
面白いがやる意味のない遊びと、面白くないがやる意味のある遊びがある場合、前者は廃れ後者が支配的なゲームになります。
つまり、ただ目的を作れはいいのではなく、より面白い遊びと目的が一致するようにすることが大事だということです。
ですが何が面白いのか?は人によってかなり違いがあります。なので目的は幅広いコンテンツに同程度にある方がいいでしょう。そうすれば、各人が好みの遊びを選択できる幅が広がります。
例えば冒頭のしもふりミートの例に戻れば、価格を維持して目的を増やすことは目的がないよりはいいことです。
ですが、それで楽しい遊びが増えるか?はまた別問題です。
レアドロップ狩りが凄く面白いコンテンツであるというなら許容人数を増やすので大いに意味がありますが、さすがにそこまでとも思えません。どうせならもっと別の、面白いと思う人はいるがやる意味がないから廃れているコンテンツに目的を与えるべきではないか、と思います。
コンテンツの使い捨て
近年のドラクエ10では、コンテンツはあれこれ追加されますが、継続的にやる意味が残るものが少ないので目的としては一時的なもので終わります。結果として日常的な遊びの中身は、日課週課・職人・キラキラ・強ボス・盗み、などといった古いものからずっと進歩していません。
これらはこの世界の最終的な需要の大部分を担っている職人成果物の供給源として保護されてきたので、ずっと継続して目的としての価値が保たれてきました。
こちらの記事でも考えてみたテーマです。
追加されては廃れてきたコンテンツの数々は、面白くなかったから廃れたわけではありません。むしろできの良いものも沢山あったのです。
なのに、いまだに日常やることはVer1時代から大して変わらない…。
あまりにもったいないことだな、と思っています。